Recasting Golden: ピアノで聴くK-POPデーモンハンターズOST
- Yeoul Choi
- 7月30日
- 読了時間: 6分
Mel's Music Cornerによる「Golden」のピアノアレンジ

2025年6月、ソニー・ピクチャーズによるアニメーション・ミュージカルファンタジー映画『K-pop Demon Hunters』がNetflixで公開されました。K-POPアイドルを主人公にした初のアニメーション作品として、ユニークなストーリー展開とK-POPを基盤とした圧巻のサウンドトラックによって瞬く間に話題となり、世界的な注目を集めました。劇中で使用された複数のオリジナル楽曲が、最近ではBillboard Global 200チャートの上位にランクインしています。その中でも、HUNTR/Xによる「Golden」は、K-POPガールグループによる楽曲として、Spotifyアメリカチャートで過去最高順位に並ぶ快挙を達成しました。.
オリジナル・サウンドトラック「Golden」は、力強いエレクトロポップと高揚感あふれるメロディ、そしてドラマチックな高音や感情に響く歌詞が特徴の楽曲です。この曲は、K-POP業界で活躍する音楽プロデューサーのIDO(23歳)とTeddyによって制作されました。「Golden」は、HUNTR/Xが人類を守るという使命を体現し、主人公ルミが自らが半分悪魔というアイデンティティと葛藤する姿を描いています。今回は、Mel’s Music Corner(MMC)によるピアノアレンジ版の楽譜を購入し、ピアノで演奏を始める前に、この「Golden」のピアノバージョンにどのようにアプローチすればよいかをガイドとしてご紹介したいと思います。
「Golden」オリジナル版の全体構成
「Golden」は、イントロ→ヴァース→プリコーラス→サビ→ポストコーラス→セカンドヴァース→ブリッジ→ラストサビ→アウトロという、典型的なK-POP楽曲の構成に沿って、徐々に感情の高まりを築いていきます。この構成は、「ビルドアップ → クライマックス → 感情の解放」というK-POP特有のパターンを効果的に体現しており、楽曲全体のドラマティックなストーリーテリングを力強く支えています。
以下に「Golden」の構成表をご覧いただけます。
セクション | 主な楽器・サウンド |
Intro(イントロ) | アンビエント系シンセパッド + ソフトなエレクトロニクス |
Verse(ヴァース) | シンセベース + 中域のパッド音 |
Pre-Chorus(プリコーラス) | シンセのアルペジオによる繊細なビルドアップ |
Chorus(サビ) | フルエレクトロ編成 + 重層的なハーモニー |
Bridge / Climax(ブリッジ / クライマックス) | ストリングスとエレクトロサウンドの融合 |
Outro(アウトロ) | シンセとオーケストラの残響が融合したエコー感あるエンディング |
イントロでは、幻想的なシンセパッドで幕を開けることで、映画的で神秘的な雰囲気を醸し出しています。楽曲全体を通しては、シンセベースやアルペジオライン、豊かな電子音のテクスチャーが際立つ、力強いエレクトロポップの基盤が感じられます。
Mel’s Music Cornerによる「Golden」ピアノバージョン
Mel’s Music Corner(MMC)によるピアノアレンジは、オリジナルと同様にイントロ→ヴァース→プリコーラス→サビ→ブリッジ→ラストサビ→アウトロという典型的なK-POPの構成を受け継いでいます。また、MMCはオリジナル曲の感情の起伏、つまりヴァースの内省的で抑制された部分からサビの高揚感と力強さへと至るドラマティックな流れを、ピアノという表現方法に見事に翻訳・表現しています。
メロディの一貫性の維持
MMCのアレンジの特徴の一つは、オリジナルのメロディをほぼそのまま保持している点です。イントロでは、メロディだけでなくオリジナルの音域もそのまま残しています。これにはどんな効果があるのでしょうか?演奏者の期待に応え、曲がより親しみやすく感じられると同時に、オリジナル曲をそのまま再現する楽しさも味わえるのです。例えば、9小節目のヴァースが始まる部分では、右手がオリジナルのメロディを奏で、一方で左手はシンプルな伴奏を担当しています。歌詞を想像しながら演奏することで、原曲をよりイメージしやすく、演奏しやすい親切なアレンジになっています。
演奏者に優しいピアノアレンジ
左手パートは、複雑すぎたり華麗すぎるテクスチャを避け、シンプルなコードや分散和音の伴奏を提供しています。特に9小節目のヴァースの開始部分などでは、音楽的な深みと中級レベルのピアニストが無理なく演奏できる弾きやすさのバランスが絶妙に保たれています。このアレンジは、コンサート向けの高度な技巧を目指すものではなく、教育的な目的や個人の楽しみを重視して作られていることが明確です。
サビ:広い音域の特徴
ピアノバージョンにおけるルミが歌うサビは、広い音域が特徴的です。例えば、33小節目では、左手が主に低音域で伴奏を担当し、一方で右手は高音域でオクターブユニゾンを弾きます。これをマスターするのはかなり難しく、強音(フォルテ)で演奏するには多くの練習が必要です。
MMCのピアノバージョンにおけるシネマティックな演出
クライマックスとなるセクション(ブリッジやラストサビ)では、MMCは広いコードのボイシング、オクターブの重ね奏法、ダイナミクスの変化を用いて、壮大でオーケストラのようなピアノの響きを演出しています。49小節目ではリズム要素がすべて取り除かれ、左手が和音を長く伸ばすことで、空虚感を効果的に表現しています。左手は完全な三和音を弾くのではなく、ルート音と5度だけを弾くことが多く、時には7度を加えることで、さらに空洞感や孤独感を強調しています。この表現はオリジナル曲の同様の場面を反映しており、ルミの感情状態を象徴し、映画のストーリーにも深く結びついています。
まとめ
「Golden」は、一流のK-POPミュージシャンたちのコラボレーションによって生み出された楽曲であり、メインストリームのK-POPのトーンやスタイルをしっかりと維持しています。エレクトロポップを基盤に重ねられた力強いボーカルと感情豊かな歌詞が高く評価されています。この曲をピアノで演奏し、楽譜を読みながら直接体験できることは、『K-pop Demon Hunters』のファンやK-POP愛好者にとって、非常にわくわくする貴重な機会です。
ビルボードチャート入りしたK-POP楽曲を、オリジナルの雰囲気をしっかりと捉え、弾きやすく丁寧に作られたピアノアレンジで演奏してみませんか?
気になる方は、こちらのリンクからMel’s Music Cornerによる楽譜をチェックしてみてください。
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